小型船舶免許の取得方法【濱西慎一】

こんにちは、濱西慎一です。前回に引き続き、釣りやクルージングが趣味だという人は、誰かに乗せてもらうのではなく、自分で船舶を運転して自由に楽しみたい!と思った事のある人もいるのではないでしょうか?

今回は、水上オートバイやクルーザー、モーターボートなどを運転する際に必要な小型船舶免許の取得について解説していこうと思います。

小型船舶免許とは?

小型船舶免許とは?_[濱西慎一おすすめ、新たに始める大人の趣味]

短く「船舶免許」と呼ばれることも多いこの資格、正式には「小型船舶操縦士免許」と呼ばれる国家資格です。

どんな人が取るの?免許を持っている芸能人は?

小型船舶免許は、もちろん仕事の関係で取るという方もいますが、最近では趣味で取る方も多くいます。水上オートバイに乗りたい方や自分でクルーザーを運転したい方など、海が好きな人なら小型船舶免許を持っていることによって得られる楽しさは無限大なのです。

芸能人でも小型船舶免許を持っている方はたくさんいますよね。2019年に釣り好きで有名な大野智さんが一級小型船舶操縦士免許に合格した時はかなり話題になりましたし、その他にもタモリさんやナインティナインの岡村隆史さん、俳優の織田裕二さんなどが小型船舶操縦士免許の中で一番難しい一級の免許を所持しています。

小型船舶免許の種類

現在、小型船舶免許の種類は以下の4種類となっています。

  • 一級小型船舶操縦士免許
  • 二級小型船舶操縦士免許
  • 二級小型船舶操縦士(湖川小出力限定)免許
  • 特殊小型船舶操縦士免許

昔は1級から5級まで細かく分かれていたので、今はだいぶシンプルになりましたね。これらの免許は、取得した種類によって運転できる船の大きさや操縦できる範囲が変わります。

操縦できる範囲 船舶の種類
一級小型船舶操縦士免許 無制限 24メートル未満のプレジャーボート、その他の船舶は20トン未満
(水上オートバイを除く)
二級小型船舶操縦士免許 海岸から5海里(約9キロメートル)以内の海域 24メートル未満のプレジャーボート、その他の船舶は20トン未満
(水上オートバイを除く)※ただし、年齢が18歳未満の場合は5トン未満に制限あり
二級小型船舶操縦士(湖川小出力限定)免許 湖や川、および一部の海域 5トン未満、かつエンジンの出力が15キロワット未満の船舶
特殊小型船舶操縦士免許 海岸から2海里(約3.7キロメートル)以内の海域 水上オートバイ限定

小型船舶免許の種類_[濱西慎一おすすめ、新たに始める大人の趣味]
[画像:海事:免許制度 – 国土交通省]

これに加え、もし趣味ではなく旅客船や遊漁船(釣船)の船長になりたい場合は、上記の免許の通常試験に加えて「特定操縦免許(小型旅客安全講習)」の受講が必要なので注意しましょう。小型旅客安全講習では、トラブル発生時の対応や救命設備に関する知識を中心に学びます。この講習の受講は小型船舶免許の取得前後どちらでも大丈夫ですよ。

また、現在の制度では一級小型船舶操縦士免許や二級小型船舶操縦士免許を取っても水上オートバイの運転はできず、モーターボートや水上オートバイどちらもの運転をしたい場合は一級(または二級)小型船舶操縦士免許+特殊小型船舶操縦士免許ふたつの免許を取得しなければならないという点も覚えておきましょう。

【参考】海事:免許制度 – 国土交通省

小型船舶免許の取り方

実際に小型船舶免許を取る場合の資格や手順について説明していきます。

受験資格と取得方法のルートについて

小型船舶免許には、年齢の下限制限があります。一級小型船舶操縦士免許の場合受験資格は17歳9ヶ月以上(資格取得は18歳以上)、二級小型船舶操縦士免許と特殊小型船舶操縦士免許の場合受験資格は15歳9ヶ月以上(資格取得は16歳以上)となっています。

小型船舶免許を取得する方法は、「教習コース」と「受験コース」の二通りがあります。

教習コース 全国各地にある登録小型船舶教習所という船舶の教習所で一定期間講習を受けたあと、国家資格試験と同等内容の筆記試験と実技試験を受けるコース。
上記に合格すれば国家試験の学科と実技が免除されます。
受験コース 一般財団法人日本海洋レジャー安全・振興協会が実施している「小型船舶操縦士国家試験」を直接受験するコース。試験科目は身体検査、学科試験、実技試験の3つです。

試験の内容について

試験には「身体検査」「学科試験」「実技試験」の3つがあります。

身体検査では小型船舶操縦者の業務に支障をきたす病気や障害がないかどうかといったことや、視力・色覚・聴力についての検査が行われます。

学科試験は「小型船舶の航行の安全に関する教則(令和3年4月1日付け改訂版)(https://www.mlit.go.jp/common/001374383.pdf)」の中から出題されます。4種類の免許のうち、「二級小型船舶操縦士(湖川小出力限定)免許」の試験のみ正誤式、ほかの試験は四肢択一となっています。一級のみ上級科目が追加されているため、難易度が高いと言われています。

実技試験では実際に船舶を運転して操船技術の審査に臨みます。一級と二級では約1時間、二級(湖川小出力)では約30分、特殊では約20分程度の試験です。

免許の有効期限は?失効したらどうする?

小型船舶操縦免許証の有効期限は、取得から5年間です。免許を更新したい場合は、有効期限満了日の1年前から更新の手続きができます。自動車の運転免許証のように自分の誕生日によるものではないので注意しましょう。

ちなみに、「一級(または二級)小型船舶操縦士免許」と「特殊小型船舶操縦士免許」は合わせて一枚の免許証が交付されます。そのため、もしも「特殊小型船舶操縦士免許」を持っている人が5年以内に「一級(または二級)小型船舶操縦士免許」の試験に合格した場合、一級(または二級)と特殊どちらもが記載された免許が新しくもらえます。

有効期限も新しい方の資格を取った日から5年間になるので、元々特殊の免許を持っていた人が更新のタイミングで勉強を重ねて二級、一級を取得するというケースもあるみたいですね。

有効期限内に更新の手続きを行わなかった場合、免許は失効します。失効になった場合、小型船舶に船長として乗船することは出来なくなりますが、資格の効力については終身有効(昭和49年の制度改正以降のもののみ)なので、失効再交付講習を受講してから再交付申請を行えばまた資格を得ることができます。

まとめ

小型船舶免許を取って、自分でモーターボートやクルーザーを運転するというのは、夢がありますよね。釣りが趣味だという人はもちろん、船がないと行けない場所へ観光しに行きたいという人も小型船舶免許を取るケースもあるそうです。まずは二級から挑戦してみて、もっと遠くへ行きたいと思ったら思い切って一級に挑戦するというのも良いですね。

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Posted by hamanishi