俳句/感性を鍛える大人の趣味【濱西慎一】

俳句/感性を鍛える大人の趣味【濱西慎一】

こんにちは、濱西慎一です。最近友人がお孫さんと一緒に俳句を趣味にしたと聞きました。その友人は元々俳句が趣味だったのですが、小学校の授業でお孫さんが俳句を習ったことから共通の趣味として一緒に続けているのだとか。

そこで今回は俳句についての知識や、初心者でもできる簡単な俳句のつくりかたについてまとめてみました。

趣味として「俳句」が注目されている理由とは?

現在、俳句は子供からお年寄りまで楽しめる趣味のひとつと注目されることも多くなっています。

その理由として、俳句は十七音の詩であるため、文章を書くのが苦手でも言葉さえ知っていれば気軽に創作することができます。

特別な道具や場所もいらないので場所を選ばず創作活動ができますし、始めよう!と考えたその瞬間に始めることができます。年齢関係なくできる趣味なので、お年寄りとお孫さんが共通の趣味として始めるケースもあるようです。

俳句と短歌と川柳、何が違う?

俳句と、俳句に似ている「短歌」や「川柳」についてどのような違いがあるのかまとめてみました。

■俳句

俳句は「上五(かみご)」「中七(なかしち)」「下五(しもご)」の十七音で成り立ち、必ず「季語」を伴います。一句の中に季語を2つ以上使わない(「季重なり」を避ける)など細かなルールが決まっています。

これらのルールを守りながらたったの十七音で季節や情景を表現するので、言葉選びが重要になり、感性を鍛えることができるというのも特徴です。

数え方は「一句(いっく)」「二句(にく)」……となります。

季語とは

季語とは、文字通り季節を表す語句のこと。季語を伴う事が必須の俳句では、大きな意味と存在感を持ち、世界観を表す重要な役目を持っています。

例えば「朧月(おぼろづき)」や「山笑う(やまわらう)」は春の季語、「短夜(みじかよ)」「山滴る(やましたたる)」なら夏の季語です。

上五(かみご)で使われる場合が多いため、5音でできている季語が多いようです。

十七字ではなく、十七音

俳句を紹介する際に「十七字」と書かれることもありますが、正しくは「十七音」です。俳句は文字数ではなく「声に出した時の音」の数に気を付けてつくるものなのです。

すなわち、「ノート」や「コーヒー」のような「ー(長音符:伸ばす音)」や「切手(きって)」や「あっち」のような「っ(促音)」は一音とカウントし、「蝶(ちょう)」や「百(ひゃく)」のような「ゃ・ゅ・ょ(拗音)」は前の字を含めて二文字で一音とカウントします。

つまり、「ちょう」も「ひゃく」も二音とカウントするということです。

■短歌

短歌は「五・七・五・七・七」の三十一文字(みそひともじ)で構成されています。最初の五・七・五を「上の句」、後の七・七を「下の句」と呼びます。

三十一文字(みそひともじ)とは言いましたが、厳密に言えば短歌も「三十一音」と考えるのが正しく、音数(読み上げた時の音の長さ)でカウントする点は覚えておくと良いでしょう。

「季節を詠む」というイメージの俳句と違い、どちらかと言えば「自分の気持ちや感じたものを中心に詠む」というイメージ短歌には、季語を入れなくてはいけないというルールはありません。口語や文語などの言い回しも自由です。

数え方は「一首(いっしゅ)」「二首(にしゅ)」……となります。

破調とは

短歌は「五・七・五・七・七」で詠むのが基本ではあり、できるだけ定型を守った方が良いのですが、「必ず守らなくてはいけない!」ということでもありません。

作者が意図的に「五・七・五・七・七」の型を破り、字余りや字足らず、句またがりなどを取り入れることを「破調」といいます。

主に現代短歌に多く見られ、短歌に独特のリズムを生むという効果があります。

■川柳

川柳も俳句と一緒で「五・七・五」の十七音で成り立ちますが、口語を使い、社会風刺的な描写をするという特徴があります。川柳も俳句とちがって季語がなくても良く、芸術性はやや少なくなりますが、誰にでもわかりやすい題材が多くあります。

俳句であったように「季語がなくてはいけない」のような細かなルールがないので、カジュアルで言葉遊びもしやすく自由に創作できるのも特徴です。

ユーモアあふれる「サラリーマン川柳」や敬老の日にお馴染みの「シルバー川柳」などもしばしば話題に上がりますよね。

早速試したくなる!俳句を作るコツ

初心者が俳句を作る時のコツを調べてみました!よく紹介されているのは「下五から決める」というやり方ですね。とあるバラエティ番組で俳人の夏井いつき先生も紹介した「尻から俳句」という方法だということで、先生が言うのだから試してみる価値は十分あると思います。

厳密には、「下五で使う普通名詞を決める」→「中七で、下五として決めた名詞を描写する」→「季語を入れた上五をつける」という順でつくっていくのだそうです。

名詞は、初心者のうちは「ぬいぐるみ」とか「壁時計」「ボールペン」「ティッシュ箱」のような身近なものを書き出してみると良いですよ。

慣れてきたら比喩や擬音などを少しずつ取り入れていくと俳句に奥行きが出ます。

まとめ

今回は大人の趣味として「俳句」を紹介しましたが、実際のところ俳句は老若男女だれもが楽しめる趣味として注目されています。

俳句に似たものとして短歌や川柳もありますが、私、濱西慎一としては、まずは十七音だけで季節の情景まで表すことができる「俳句」に触れてみるのがおすすめです。

毎日、日記代わりに手帳の空いているスペースなんかに書き込んでも良いですし、SNSに呟いてみるのも良いのではないでしょうか。俳句は趣味にしている方の人口も多いので、俳句を通した友達が出来たという声も聞きます。

年齢を重ねてもずっと楽しめる趣味のひとつとして、今から俳句を始めてみるのはいかがでしょうか。

Posted by hamanishi