囲碁の魅力を探る~発想が豊かになる頭脳ゲーム~【濱西慎一】

囲碁の魅力を探る~発想が豊かになる頭脳ゲーム~【濱西慎一】

こんにちは、濱西慎一です。みなさんは、お気に入りのボードゲームはありますでしょうか。

囲碁自体をやったことがなくても、五目並べや連珠でなら遊んだことのある方はいるかもしれませんね。今回は、数あるボードゲームの中から「囲碁」を取り上げて紹介したいと思います。

囲碁とはどのようなゲームか

囲碁は、簡単に言うと縦と横の細かいマスが書かれた「碁盤」と白黒の「碁石」を使って2人で対戦するボードゲームのこと。

黒(先手)と白(後手)に別れてそれぞれの石を交互に一手ずつ打っていき、最後に自分の石が囲っている陣地の多い方が勝ちとなります。

囲碁の歴史

まずは、簡単に囲碁の歴史から追っていきましょう。

発祥は古代中国

囲碁のルーツは古代(およそ4000年前くらい)の中国の皇帝にあるという説がありますが、正確にはわかっていません。また、元々碁盤は宇宙で碁石を星とし、天文や占いのために使っていたという説などもあります。

中国では立派な王様になるためのたしなみのひとつとして囲碁を勉強したりと、上流階級にとっては当たり前の知識だったようです。

日本への伝来も正確な情報は定かではないのですが、5世紀頃に朝鮮を通して他の様々なものと一緒に、囲碁も渡ってきたという説が有力視されています。

紫式部の「源氏物語」や清少納言の「枕草子」にも囲碁の話題が書かれていることから、平安時代のあたりは貴族に大変好まれた遊びだということもわかっています。

さらに広まっていく囲碁

囲碁が武家から農業・商業を営む多くの人々にまで広まっていったのは鎌倉・室町時代のあたり

囲碁が武家から農業・商業を営む多くの人々にまで広まっていったのは鎌倉・室町時代のあたりだと言われています。

安土桃山時代、織田信長が日蓮宗僧侶の日海の対局を見て、あまりの強さに「そちはまことの名人なり」と賞賛したことが現代の囲碁界でも使われている「名人」の由来となっています。(※証明する資料がないため所説あり)

さらに、彼が暮らしていた「本因坊」という塔から、日海は後に「本因坊算砂」と呼ばれるようになりました。

豊臣秀吉の時代には全国から囲碁の強い者を集めた御前試合が開催されるようになり、そこでも圧倒的な強さで優勝したのが本因坊算砂です。その栄誉をたたえた「朱印状」を与えられ、毎年給料が支払われるようになった本因坊算砂は「日本最古のプロ棋士」とも言えるでしょう。

「碁聖」現る

さて、日本における囲碁の黄金期とも言える江戸時代後期、たくさんいた天才棋士たちの中でもひときわ輝いていたのが後に「碁聖」と呼ばれる「本因坊秀策」です。

彼の名は囲碁を齧ったことのある者ならほぼ全ての人が知っていると言っても過言ではないほど囲碁界では有名人です。

本因坊秀策は年に一回徳川将軍の前で行われる「御城碁」にて嘉永2年(1849年)から文久元年(1861年)の13年間、19連勝という大記録を残しました。

しかし、1862年(文久2年)に江戸で大流行したコレラによって、大変残念なことに本因坊秀策は34歳の若さで病死してしまいます。江戸幕府が成立してから230年余り続いていた御城碁の開催もなくなり、囲碁界は低迷期に入ります。

明治~現代までの動向

 

明治維新後、幕府という大きな後ろ盾を失い低迷した囲碁界ですが、1924年(大正13年)に大倉喜七郎男爵の呼びかけによって囲碁の棋士を統括する「日本棋院」が創立されます。

昭和初期は戦争の影響で棋士たちも碁を打つのが難しくなりますが、昭和30年以降、ふたたび囲碁の人気が復活。学習指導要領の改訂にともなって囲碁が中高生にも広まっていきました。

1982年(昭和57年)には国際囲碁連盟が設立され、現在、日本以外の各国でもたくさんの棋士が生まれています。

囲碁を趣味にするメリット

日本棋院のホームページでは、囲碁をすることによるメリットについて以下のように挙げています。

囲碁は集中力が身につき、創造力を育み、発想が豊かになる頭脳ゲームです。
創造性、医学、コミュニケーション、教育の分野での効能が注目されています。

引用:囲碁の効能 | 囲碁学習・普及活動 | 囲碁の日本棋院

医学的な側面から見ても、囲碁は右脳をたくさん使うゲームだと言われており、判断力を高めたりストレス解消に効果があったりすることが認められています。さらに、ボケ防止や予防などへの効果も期待されています。

囲碁を趣味にするメリット【濱西慎一】

引用:日本棋院公式サイト

それ以外でも、囲碁は年齢や性別、国籍を問わず楽しめるゲームであるため、様々な垣根を越えたコミュニケーションができる点も楽しみのひとつです。「集中力」「礼儀」「コミュニケーション」「想像力」、そして考える力や忍耐力などが鍛えられる点も囲碁の魅力です。

囲碁の楽しみ方と対局をする方法

囲碁には様々な戦略がありますが、ルール自体はとても簡単です。

  • 黒と白の碁石を交互に打つ(黒が先行)
  • 囲めば相手の石を取れる、最後に多くの陣地を取った方が勝ち
  • 打ってはいけない場所と例外がある
  • 一度置いた石は動かしてはいけない

シンプルにまとめると、このようなルールがあります。ルールを覚えたら、ぜひ対局をしてみましょう。家に碁盤や碁石があり、対局ができる人もいる場合は2人で楽しむのも良いですが、道具も囲碁を楽しめる人もない場合でも対局は可能です。方法は主に2つあります。

碁会所

碁会所ならすぐに対局可能【濱西慎一】

碁会所とは、碁盤や碁石が常備してある、囲碁を打つためのお店です。「囲碁サロン」や「囲碁クラブ」という名前を使っている場所もあります。

およそ1000円前後の席料を支払うだけですぐに囲碁が出来るので、「家に道具がない」「周りに囲碁ができる友達がいない」「インターネットの環境がない」という方にはおすすめです。実際に碁石を打つ感覚が好きだ、という方も碁会所を愛用する方が多いかもしれません。

また、碁会所によっては初心者に打ち方を教えてくれる指導碁や囲碁教室が開催されているところもあるので、始めたばかりの方でも臆せず、ぜひ覗いてみると良いでしょう。

インターネット囲碁

インターネット囲碁もおすすめ【濱西慎一】

今はインターネットが普及しているため、インターネットで囲碁を楽しむこともできます。インターネット囲碁(通称:ネット碁)のスクールなどもありますし、ネット上の囲碁大会なんかも開催されています。また、ネット上ではロボットを相手に練習できるという点もメリットと言えますね。

「家の中で出来る趣味が良い」「遠方の人や世界中の人と気軽に囲碁を楽しみたい」「初心者なので人間を相手にするのはちょっと恥ずかしい」と考えている方は気軽にネット碁を楽しんでみるのも良いのではないでしょうか。

まとめ

中国から伝来し、その後多くの人々に愛されてきた囲碁。一見難しそうに見えますが、ルール自体はシンプルで覚えやすく、その代わり星の数だけの戦術があるという知れば知る程奥深いゲームです。

想像力や集中力が鍛えられボケ防止にもなり、家の中でも充分に楽しめるので、引退後の趣味にはもってこいだと思います。

自分で打つことがなくても、プロが打った棋譜を再現しつつ囲碁仲間たちと感想を語り合うという楽しみ方もあるようですよ。

Posted by hamanishi